L-002 坐骨神経痛とは?|原因・症状・治療法
L-002 坐骨神経痛とは?|原因・症状・治療法を整形外科専門医がわかりやすく解説
監修:合田猛俊 佐々木拓郎 清藤直樹
結論
「お尻から足にかけて痛みやしびれがある」「長く歩くと足が痛くなる」「少し休むとまた歩けるようになる」。
このような症状がある方は、坐骨神経痛の可能性があります。
坐骨神経痛は病名ではなく、坐骨神経が刺激されたことで起こる痛みやしびれなどの症状の総称です。
原因として多いのは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などです。
原因によって治療方法は異なるため、まずは正確な診断を受けることが重要です。
この記事のポイント
・坐骨神経痛は病名ではなく「症状」の名前です。
・お尻から足にかけての痛みやしびれが代表的な症状です。
・原因として最も多いのは腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症です。
・足の筋力低下や排尿・排便障害を伴う場合は早めの受診が必要です。
・原因に応じてリハビリテーションや神経ブロック治療などを組み合わせて治療します。
こんな症状はありませんか?
次のような症状がある場合は、坐骨神経痛の可能性があります。
表1 セルフチェック
症状 | チェック |
お尻が痛い | □ |
太ももの後ろが痛い | □ |
ふくらはぎが痛い | □ |
足先がしびれる | □ |
長く歩くと足が痛くなる | □ |
少し休むとまた歩ける | □ |
咳やくしゃみで足まで痛む | □ |
足に力が入りにくい | □ |
3項目以上当てはまる場合は、一度整形外科へ相談することをおすすめします。
坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛とは、お尻から太ももの後面、ふくらはぎ、足先へ伸びる坐骨神経に沿って現れる痛みやしびれなどの症状を指します。
「坐骨神経痛」という病気があるわけではなく、神経が圧迫されたり刺激されたりすることで起こる症状の総称です。
症状は片側に現れることが多いものの、原因によっては両側に現れることもあります。
表2 坐骨神経痛の特徴
項目 | 内容 |
病名 | 病名ではなく症状の総称 |
主な症状 | 痛み・しびれ・筋力低下 |
症状が出る場所 | お尻・太もも・ふくらはぎ・足 |
原因 | 腰椎疾患などさまざま |
坐骨神経とは?
坐骨神経は人体で最も太く、最も長い末梢神経です。
腰から出た複数の神経が集まり、お尻を通って太ももの後面、ふくらはぎ、足先まで続いています。
そのため、腰に原因があっても、お尻や足に痛みやしびれが現れることがあります。
表3 坐骨神経の走行と症状
部位 | 症状 |
お尻 | 痛み・しびれ |
太ももの後面 | 痛み・しびれ |
ふくらはぎ | 痛み・しびれ |
足の甲・足底 | しびれ・感覚異常 |
坐骨神経痛の主な症状
症状の程度は人によって異なります。
軽い違和感だけの場合もあれば、歩くことが困難になるほど強い痛みが現れることもあります。
表4 主な症状
症状 | 特徴 |
お尻の痛み | 長時間座ると悪化しやすい |
足の痛み | 電気が走るような痛みを感じることがある |
足のしびれ | 足先まで広がることがある |
筋力低下 | 足に力が入りにくくなることがある |
間欠性跛行 | 歩くと痛み、休むと改善する |
神経根によって症状が異なる
神経が圧迫される部位によって、症状が現れる場所が異なります。
表5 神経根と症状の関係
神経根 | 主な症状 |
L3 | 太ももの内側の痛み |
L4 | 太ももの前面から膝の内側の痛み |
L5 | 太ももの外側・下腿外側・足背の痛みやしびれ |
S1 | 太ももの後面・下腿後面・足底の痛みやしびれ |
こんな症状がある場合は早めに受診しましょう
多くの坐骨神経痛は緊急性が高くありません。
しかし、次のような症状がある場合は、早めの診察が必要です。
表6 早期受診をおすすめする症状
症状 | 理由 |
足に力が入らない | 神経障害が進行している可能性 |
排尿・排便障害 | 緊急治療が必要となる場合がある |
急激な症状の悪化 | 詳しい検査が必要 |
発熱を伴う | 感染症などの可能性 |
転倒後から症状がある | 骨折などの可能性 |
(第2部へ続く)


