L-004 腰部脊柱管狭窄症とは? 第1部 歩くと足が痛くなる原因と診断のポイント
L-004 腰部脊柱管狭窄症とは?
第1部 歩くと足が痛くなる原因と診断のポイント
結論
腰部脊柱管狭窄症とは、加齢や長年の腰への負担によって神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、腰痛や足の痛み、しびれ、歩きにくさなどを引き起こす病気です。
特に、「歩いていると徐々に足が痛くなり、少し休むとまた歩けるようになる」という間欠性跛行は、この病気を代表する症状です。
しかし、「歩くと足が痛い」という症状だけで腰部脊柱管狭窄症と決めることはできません。同じような症状は、腰椎椎間板ヘルニアや血流の障害によって起こる血管性跛行でもみられるため、正確な診断には問診や神経学的診察が欠かせません。
ごうだ整形外科では、MRI画像だけで判断するのではなく、患者さんのお話や診察から病態を予測し、そのうえでMRIを用いて診断を確認することを大切にしています。
この記事でわかること
- 腰部脊柱管狭窄症とはどのような病気か
- 間欠性跛行とはどのような症状か
- 腰椎椎間板ヘルニアや血管性跛行との違い
- ごうだ整形外科で重視している診断のポイント
- MRIだけでは診断できない理由
- 保存療法・神経ブロック・手術の考え方
腰部脊柱管狭窄症とは?
脊柱管とは、背骨の中を通る神経の通り道です。
加齢や長年にわたる腰への負担によって、椎間関節の変形や黄色靱帯の肥厚などが起こると、この通り道が徐々に狭くなります。
狭くなった脊柱管の中で神経が圧迫されることで、
- 腰痛
- お尻の痛み
- 足のしびれ
- 足の痛み
- 歩きにくさ
などの症状が現れます。
この病気は急激に発症することは少なく、多くは時間をかけてゆっくり進行します。
一方で、40代でも重い物を持つ仕事や激しいスポーツを長年続けている方では発症することがあり、年齢だけで判断できる病気ではありません。
腰部脊柱管狭窄症でよくみられる症状
最も特徴的なのは間欠性跛行です。
表1 主な症状
症状 | 特徴 |
間欠性跛行 | 歩くと足の痛みやしびれが強くなり、休むと再び歩ける |
腰痛 | 慢性的な腰の重だるさを伴うことがある |
足のしびれ | 太ももから足先まで広がることがある |
足の痛み | 歩行とともに徐々に悪化することが多い |
筋力低下 | 病状が進行するとみられることがある |
ごうだ整形外科では問診を最も重視しています
「歩くと足が痛い」という症状だけでは、腰部脊柱管狭窄症とは診断できません。
ごうだ整形外科では、患者さんへの問診を通じて、症状の現れ方や変化の仕方から病態を推測しています。
特に次のような点を詳しく確認します。
表2 問診で確認するポイント
確認する内容 | 診断のポイント |
歩き始めから痛いか | 痛みの出現時期を確認する |
歩いているうちに悪化するか | 間欠性跛行の特徴を確認する |
足先から症状が出るか | 症状の広がり方を評価する |
腰から下へ広がるか | 神経症状の分布を確認する |
どのくらい歩けるか | 日常生活への影響を把握する |
休むと改善するか | 間欠性跛行かどうかを判断する |
このような問診によって、神経が原因となる腰部脊柱管狭窄症なのか、それとも血流障害による血管性跛行など他の疾患なのかを見極めていきます。
姿勢による症状の違いも重要な手がかりです
診察では、姿勢による症状の変化も重要な判断材料になります。
例えば、
- 前かがみで症状が強くなる場合には、腰椎椎間板ヘルニアを疑います。
- 腰を後ろへ反らすと症状が強くなる場合には、腰部脊柱管狭窄症を疑います。
このような違いを確認することで、問診の段階から病態を予測し、その後の診察や画像検査につなげています。
神経学的診察も丁寧に行います
腰部脊柱管狭窄症だからといって、特別な診察だけを行うわけではありません。
ごうだ整形外科では、腰椎椎間板ヘルニアと同様に、
- 筋力
- 感覚
- 腱反射
- 神経の支配領域
などを一つひとつ丁寧に確認し、どの神経が障害されている可能性があるかを評価します。
MRIは診断を確認するための検査です
ごうだ整形外科では、最初にMRI画像を見るのではなく、問診と神経学的診察から病態を予測することを重視しています。
例えば、
- 長い距離を歩けない
- 歩くと徐々に症状が悪化する
- 腰を後ろへ反らすと症状が強くなる
といった特徴があれば、腰部脊柱管狭窄症を疑い、どの部位で神経が圧迫されている可能性があるかを考えます。
その後にMRIを確認し、症状や診察結果と一致しているかを評価します。
画像だけで診断するのではなく、患者さんの症状と画像が一致しているかを確認することが、正確な診断につながると考えています。
(第2部へ続く)


