当院は院内処方を行っています。診療を受けた医療施設で直接薬を受け取るものを院内処方、処方箋をもらい院外薬局で薬をもらう方法を院外処方といいます。医療機関にとって院外処方の方が利点が多いため90%以上の医療機関は院外処方を行っています。
 
 ではその利点は誰のための利点でしょう?当局が院外処方を推進してきたことには医療費の抑制という名目がありますが、現在までのところその目標が達成されたとは言えません。逆に院外処方により患者様の負担額は3倍になりますし、国庫の負担も同様です。また、院外処方では積極的にジェネリック薬への変更を勧められます。ではなぜ医師は初めからジェネリックを処方せず、薬価の高い先発薬を処方するのでしょう?世間で言われているように高い薬を処方すると医療機関に利益が生じるのでしょうか?院内処方でも院外処方でも処方した薬により利益が生じることはありません。むしろ院内処方では高価な薬を使用すると薬の仕入れ価格が高くなり経営を圧迫することのほうが多いと思います。私の施設では先発薬と後発薬の両方を使用しています。理由は単純です。効果のある薬のみを採用しているからです。医師であれば誰でも、少なくとも私は主要成分が同じであればすべて同じ薬としての効果があるとは考えていません。自分自身が薬効がしっかりしていると感じる薬のみを先発薬、後発薬の区別なく処方しています。安いが効かない薬をもらってうれしいですか?

 他にも院内処方を行う理由はたくさんあります。
1.調剤薬局などの手数料、管理料等の負担がないため患者様の自己負担額が少ない
2.院外薬局へ行く時間的負担がない。
3.会計が一度で済む。
4.直接医師が処方するため説明、変更が容易である。
逆に医療施設にとっては在庫管理、購入費用、人材確保等不利になることが多々ありますが、結局は患者目線の治療を行うことが医療機関への信頼、信用を得るための最短の道であると信じています。