L-012 この腰痛は受診すべき?

様子を見てもよい腰痛・早めに受診したい腰痛【後編】

監修:合田 猛俊/佐々木 拓郎/清藤 直樹

5.数日様子を見てもよい腰痛とは?

腰痛が起こったからといって、すべての方がすぐに受診しなければならないわけではありません。ごうだ整形外科では、受診の必要性を考えるとき、「何日痛いか」だけではなく、今の腰痛で日常生活がどの程度できているかを重視します。

腰は痛いものの、仕事や家事、歩行などの日常生活がおおむね送れていて、症状が少しずつ軽くなっているのであれば、数日様子を見ることができる場合があります。

例えば、次のように腰痛が起こったきっかけに心当たりがあり、普段の生活ができている場合です。

  • 中腰で長時間草むしりをしたあとから痛くなった
  • 重い物を持ったあとから腰が痛くなった
  • 以前にも何度か同じような腰痛を経験している
  • 動くと痛いが、安静にするとある程度落ち着く
  • 普通に歩くことができる
  • 日ごとに少しずつ症状が軽くなっている

急激に起こった腰痛でも、1週間から10日程度で症状が落ち着いてくることがあります。

ただし、これは「1週間から10日は必ず自宅で待ってください」という意味ではありません。日常生活が送れないほど痛い場合や、症状が悪化している場合には、経過日数にかかわらず受診を考えることが大切です。

6.様子を見ていても、痛みが減らなければ受診してください

数日様子を見る場合に大切なのは、「何日経ったか」だけではなく、症状がどう変化しているかを見ることです。

次のような変化がある場合には、早めに整形外科を受診してください。

  • 数日経っても痛みがほとんど変わらない
  • 痛みが減ってこない
  • むしろ痛みが強くなってきた
  • 新たに足のしびれが出てきた
  • 日常生活への支障が大きくなってきた

反対に、日に日に痛みが軽くなり、できる動作が増えているのであれば、そのまま改善していく可能性があります。

腰痛では、「何日目だから大丈夫」「何日目だから危険」と日数だけで決めるのではなく、良くなっているのか、変わらないのか、悪くなっているのかを確認することが大切です。

7.腰痛のときは寝ていた方がいい?

腰痛があるからといって、必ずしも一日中横になっている必要はありません。

ごうだ整形外科では、日常生活を送ることができる程度の腰痛であれば、基本的には普段どおり生活していただいてよいと考えています。

もちろん、痛みを我慢して無理な運動や重労働をする必要はありません。しかし、「腰痛だから動いてはいけない」と必要以上に安静にし続ける必要もありません。

普段の生活そのものができないほど痛い場合には、自宅で安静を続けて我慢するよりも、一度受診して原因を確認することをおすすめします。

8.自宅にある鎮痛薬を使ってもよい?

自宅に、これまで使用したことがあり、ご自身が使用できることが分かっている鎮痛薬がある場合には、まず使用して様子を見ることも一つの方法です。

ただし、鎮痛薬を使っても痛みが改善しない、痛みが強くなってくる、日常生活ができないといった場合には、薬だけで我慢せず、原因を確認するために受診してください。

9.腰痛は冷やす?温める?

腰痛の患者さんからよく聞かれるのが、「冷やした方がいいですか」「温めた方がいいですか」という質問です。

明らかな外傷の直後は、冷やすことが役立つ場合があります

冷やすことには、炎症を抑えるという考え方があります。そのため、明らかに腰をぶつけたなど、外傷直後の場合には、冷やすことで症状が楽になることがあります。

ただし、長時間冷やし続けると、血流が悪くなったり、筋肉がこわばったりすることがあります。そのため、長時間の冷却はおすすめしていません。

一般的な腰痛では、温める方が楽になることがあります

一方、一般的にみられる腰痛では、温めることで血流が良くなり、筋肉が緩むことで症状が楽になることがあります。

ごうだ整形外科では、明らかな外傷ではない通常の腰痛については、温めて血流を良くし、筋肉を緩める方が効果的であることが多いという印象を持っています。

10.ごうだ整形外科では腰痛をどう診断する?

腰痛では、痛い場所だけを見て診断するわけではありません。同じ「腰が痛い」という訴えでも、筋肉や関節、骨、神経、さらには内臓の病気まで原因はさまざまです。

当院ではまず、問診で次のような点を確認します。

  • どこが痛いのか
  • いつから痛いのか
  • 何をしたときに始まったのか
  • 安静にしていても痛いのか
  • 立っていると痛いのか
  • 歩くと痛くなるのか
  • 足に痛みやしびれがあるのか
  • 日常生活にどの程度支障があるのか
  • 排尿・排便に異常がないか

そのうえで、痛い場所の圧痛や動作時痛を確認し、神経症状が疑われる場合には、足の筋力、感覚、膝蓋腱反射、アキレス腱反射、SLR(下肢伸展挙上テスト)などを調べます。

こうした診察からどの部位に原因がありそうかを推定し、神経症状がある場合や強い腰痛の原因を確認する必要がある場合には、MRIなどの画像検査を行い、症状と画像所見を合わせて診断します。

11.ごうだ整形外科の腰痛治療

腰痛の治療は、原因と症状の強さによって変わります。

軽い腰痛であれば、鎮痛薬などで症状を抑えながら経過を見ることがあります。一方で、神経の圧迫による強い痛みがあり、仕事や家事などの日常生活ができない場合には、神経ブロックを検討することがあります。

神経ブロックは、強い痛みを一度和らげることで、その後の痛みを薬などでコントロールしやすくすることを目的として行います。症状や原因となる神経の範囲に応じて、神経根ブロックや腰部神経叢ブロックなどを選択します。

また、痛みが落ち着いたあとは、身体を動かすことも重要です。当院では、受け身の治療だけではなく、患者さん自身が身体を動かす能動的な運動を重視しています。

大切なのは、「腰痛だから同じ治療をする」のではなく、どこから痛みが出ているのかを考え、その方の症状に合わせて治療を選択することです。

12.ごうだ整形外科の診療方針

腰痛では、MRIなどの画像検査を行っても、痛みの原因を一つに断定できないことが少なくありません。

しかし、画像で明らかな異常が見つからないことと、「何もすることがない」ということは同じではありません。

まず、骨折、感染症、腫瘍、強い神経圧迫、内臓疾患など、見逃してはいけない原因が隠れていないかを確認することが重要です。重大な原因が否定できたうえで、痛みの程度に応じて鎮痛薬、神経ブロック、運動療法などを組み合わせ、日常生活へ戻ることを目指します。

腰痛で受診するべきか迷ったときには、まず「今の腰痛で普段の生活ができているか」を考えてみてください。

生活ができないほど痛い、しびれが強い、急に力が入らなくなった、排尿・排便に異常があるといった場合には、我慢して様子を見続けないことが大切です。

腰痛の受診についてよくある質問

Q1.ぎっくり腰は何日くらい様子を見ても大丈夫ですか?

日常生活がある程度でき、症状が改善している場合には、数日様子を見ることもできます。急に起こった腰痛でも1週間から10日程度で落ち着いてくることがあります。ただし、日常生活ができないほど痛い場合や、症状が悪化する場合には早めに受診してください。

Q2.腰痛があっても歩けるなら様子を見て大丈夫ですか?

歩けることは一つの目安ですが、それだけでは判断できません。安静にしていても強く痛む、しびれが強い、発熱がある、症状が悪化しているなどの場合には、早めの受診が必要です。

Q3.腰痛と足のしびれがあります。すぐ受診した方がいいですか?

しびれの程度と日常生活への影響によります。足をつけないほどの強い知覚障害や筋力低下がある場合には早めの受診が必要です。また、しびれの原因が必ず腰にあるとは限らないため、症状が続く場合には一度診察を受けることをおすすめします。

Q4.尿が出にくいだけでも腰と関係がありますか?

腰の神経が強く障害されることで、尿が出しにくくなる場合があります。特に、急に尿が出ない、尿意が分からない、お尻や陰部の感覚がおかしいといった症状を腰痛や足の症状とともに認める場合には、救急受診を考えてください。

Q5.転倒していなくても圧迫骨折になることがありますか?

あります。特に高齢者や骨粗しょう症のある方では、便座に腰を下ろす、咳をするなど、ごく軽い負担でも圧迫骨折を起こすことがあります。

Q6.夜、横になっていても腰が痛いのですが受診した方がいいですか?

安静にしていても続く強い腰痛は、一般的な筋肉や関節由来の腰痛とは異なる原因が隠れていることがあります。特に痛みが強い、悪化している場合には、早めに整形外科を受診してください。

Q7.腰痛は冷やした方がいいですか?

明らかにぶつけたなど外傷直後であれば、冷やすことで症状が楽になる場合があります。ただし、長時間冷やし続けることはおすすめしません。一般的な腰痛では、温めて血流を良くし、筋肉を緩めることで楽になることがあります。

Q8.突然ものすごく腰が痛くなりました。ぎっくり腰でしょうか?

ぎっくり腰でも突然強い痛みが起こりますが、突然の激しい腰痛には腹部大動脈瘤や大動脈解離など、命に関わる病気が隠れていることがあります。特に普段から血圧が高い方で、突然動けないほどの激痛が起きた場合には、救急受診を考えてください。

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監修者プロフィール

合田 猛俊

医療法人社団 GOZEN 理事長/整形外科専門医/医学博士/ペインクリニック専門。神経ブロック治療や脊椎疾患を多数診療。

佐々木 拓郎

北7条ごうだ整形外科 院長/整形外科専門医。膝関節・股関節疾患、スポーツ整形外科を専門とする。

清藤 直樹

岩見沢ごうだ整形外科 院長/整形外科専門医。スポーツ整形外科を専門とし、成長期スポーツ障害から一般整形外科まで診療。

記事情報

記事番号

L-012

記事名

この腰痛は受診すべき?|様子を見てもよい腰痛・早めに受診したい腰痛

カテゴリー

腰痛ナビゲーション・症状シリーズ

監修

合田 猛俊/佐々木 拓郎/清藤 直樹

公開日

未定

最終更新日

未定

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