L-008 第2部腰椎圧迫骨折の治療
腰椎圧迫骨折の治療
腰椎圧迫骨折の治療方法は、骨折の程度や痛みの強さ、年齢、骨粗しょう症の有無、日常生活への影響などを総合的に判断して決定します。
多くの場合は保存的治療が中心となりますが、患者さん一人ひとりに適した治療を選択することが重要です。
コルセットによる固定
骨折部への負担を軽減するため、コルセットを使用することがあります。
コルセットには腰椎を安定させ、痛みを和らげながら骨が治癒しやすい環境を整える役割があります。
装着期間は骨折の状態によって異なります。必要以上に長期間装着すると筋力低下につながることもあるため、診察結果をもとに適切な期間を判断します。
薬物療法
痛みが強い時期には、鎮痛薬を使用して痛みを和らげます。
患者さんの年齢や持病、胃腸や腎臓の状態などを考慮しながら薬剤を選択します。
また、骨粗しょう症が原因となっている場合には、再骨折を防ぐための骨粗しょう症治療も重要になります。
リハビリテーション
痛みが軽減してきたら、筋力や歩行能力を維持するためにリハビリテーションを開始します。
長期間動かない状態が続くと、
- 筋力低下
- 歩行能力の低下
- 転倒しやすくなる
- 新たな骨折
などにつながる可能性があります。
そのため、骨折の状態を確認しながら、安全な範囲で身体を動かすことが大切です。
手術を検討する場合
多くの腰椎圧迫骨折は保存的治療で改善します。
しかし、
- 強い痛みが長期間続く
- 骨の変形が進行する
- 神経が圧迫されている
- 足の麻痺や筋力低下がある
- 排尿・排便障害がある
などの場合には、専門的治療や手術を検討することがあります。
腰椎圧迫骨折の予防と日常生活
骨粗しょう症の治療を続ける
腰椎圧迫骨折を経験した方では、再び別の椎体が骨折する危険性が高くなります。
そのため、痛みが軽くなったあとも骨粗しょう症の治療を継続することが重要です。
転倒を予防する
自宅での転倒予防も大切です。
例えば、
- 床に物を置かない
- 滑りやすいマットを使用しない
- 廊下や階段を明るくする
- 手すりを活用する
- 足に合った靴を履く
といった工夫が役立ちます。
適度な運動
骨折が落ち着いた後は、筋力維持やバランス能力向上のために適度な運動を取り入れることが大切です。
運動内容は骨折の状態によって異なるため、医師やリハビリスタッフと相談しながら進めましょう。
栄養バランスの良い食事
カルシウム、ビタミンD、たんぱく質などを十分に摂取することは、骨の健康維持に役立ちます。
薬だけではなく、日常生活全体で骨を守ることが再発予防につながります。
ごうだ整形外科の診断
ごうだ整形外科では、腰椎圧迫骨折を疑う際、「転倒しましたか」という質問だけでは診断しません。
最も重視しているのは、
「どの動きをすると痛みが強くなるのか」
という点です。
特に、
- ベッドから起き上がるとき
- ソファーから立ち上がるとき
- 寝返りをするとき
に強い痛みがある場合は、腰椎圧迫骨折を疑う重要な手がかりになります。
診察では、痛みの部位だけでなく圧痛の位置も丁寧に確認します。
レントゲン検査も行いますが、それだけで診断を終えることはありません。
レントゲンで異常が明らかでなくても、症状や診察所見から圧迫骨折が疑われる場合には、必要に応じてMRI検査を追加します。
MRIは骨折の有無だけではなく、
- 転移性骨腫瘍
- 感染症
- その他の見逃してはいけない病気
を評価するうえでも重要な検査です。
当院では、可能な限りその日のうちに診断へ近づき、患者さんに治療方針をご説明できるよう努めています。
ごうだ整形外科の治療
ごうだ整形外科では、画像だけで治療方針を決めることはありません。
患者さんの痛みの程度、生活状況、歩行能力、骨折の状態を総合的に判断し、一人ひとりに適した治療をご提案します。
痛みを和らげることはもちろん大切ですが、それだけでは十分ではありません。
今後の生活を見据え、
- 骨粗しょう症の治療
- 転倒予防
- リハビリテーション
- 再骨折予防
まで含めて治療計画を立てます。
必要に応じて専門的治療や高次医療機関との連携も行い、患者さんが安心して日常生活へ戻れるよう支援しています。
ごうだ整形外科の診療方針
ごうだ整形外科では、画像だけで病気を判断するのではなく、患者さんのお話と診察所見を大切にしています。
どの動作で痛むのか、どこに圧痛があるのか、日常生活で何に困っているのかを丁寧に確認し、本当に必要な検査を選択します。
レントゲンだけでは判断できない場合にはMRIを追加し、見逃してはいけない病気も含めて評価します。
患者さん一人ひとりに適した診断と治療を提供し、不安をできるだけ早く解消できるよう努めています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 転んでいなくても圧迫骨折になることはありますか?
はい。
骨粗鬆症によって骨が弱くなっている場合には、明らかな転倒がなくても圧迫骨折を起こすことがあります。
重い物を持つ、身体をひねる、くしゃみをするなど、日常生活の動作をきっかけに発症することもあります。
Q2. レントゲンで異常がなければ圧迫骨折ではありませんか?
必ずしもそうではありません。
発症直後では椎体の変形が目立たず、レントゲンだけでは診断が難しい場合があります。
症状から圧迫骨折が疑われる場合には、MRIなどの追加検査を検討します。
Q3. 圧迫骨折は自然に治りますか?
多くの圧迫骨折は保存療法によって改善していきます。
ただし、骨折の状態や骨粗鬆症の程度によって経過は異なります。
痛みが続く場合や神経症状がある場合には、詳しい評価が必要です。
Q4. 圧迫骨折ではずっと安静にした方がよいですか?
必要以上の長期間の安静はおすすめできません。
特に高齢者では筋力や体力が低下し、歩行能力の低下や転倒リスクの増加につながることがあります。
骨折の状態と痛みを確認しながら、適切な時期から身体活動を回復させることが重要です。
Q5. 一度圧迫骨折すると、また骨折しますか?
再骨折のリスクは高くなります。
特に骨粗鬆症が背景にある場合には、別の椎体や大腿骨近位部などに新しい骨折を起こす可能性があります。
そのため、骨折の治療と同時に骨粗鬆症の評価・治療を行うことが重要です。
Q6. 背中が丸くなってきたのは年齢のせいですか?
年齢だけが原因とは限りません。
過去に起こした圧迫骨折によって椎体が変形し、背中が丸くなっている場合があります。
身長が以前より低くなった、背中が丸くなった、腰や背中の痛みが続く場合には、一度整形外科での評価をおすすめします。
監修者
合田 猛俊
医療法人社団GOZEN 理事長
整形外科専門医・医学博士
疼痛管理、神経ブロック、手の外科、骨軟部腫瘍を専門とする。
佐々木 拓郎
北7条ごうだ整形外科 総合院長
整形外科専門医・医学博士・スポーツドクター等
下肢、特に膝・股関節を中心に診療。リウマチ、スポーツ医学、産業医学にも対応。
清藤 直樹
岩見沢ごうだ整形外科 院長
整形外科専門医・医学博士
下肢、特に膝関節を中心に診療。
記事情報
記事番号:L-008
記事タイトル:腰椎圧迫骨折とは?
カテゴリー:腰痛・脊椎疾患
対象疾患:腰椎圧迫骨折・椎体骨折・骨粗鬆症
監修:合田猛俊・佐々木拓郎・清藤直樹


