L-003 腰椎椎間板ヘルニアとは?

原因・症状・治療・手術が必要になるケースを整形外科専門医が詳しく解説【第1部】

監修:合田猛俊・佐々木拓郎・清藤直樹

結論

腰椎椎間板ヘルニアは、腰の椎間板の一部が飛び出し、神経を圧迫することで腰痛や坐骨神経痛を引き起こす病気です。

しかし、「腰椎椎間板ヘルニア=手術」ではありません。

実際には、多くの患者さんは手術を受けなくても症状が改善します。

ごうだ整形外科では、問診と神経学的診察から障害されている神経を予測し、MRIでその診断を確認したうえで、一人ひとりに最適な治療方法をご提案しています。

この記事のポイント

  • 腰椎椎間板ヘルニアの原因と仕組みがわかる
  • 坐骨神経痛との違いが理解できる
  • 手術が必要になるケースがわかる
  • 保存療法で改善が期待できる理由がわかる
  • ごうだ整形外科の診断・治療方針がわかる

こんな症状はありませんか?

腰椎椎間板ヘルニアでは、腰だけではなく、お尻や足に症状が現れることがあります。

表1 セルフチェック

症状

チェック

腰が痛い

前かがみになると痛みが強くなる

お尻から足にかけて痛みがある

足にしびれがある

咳やくしゃみで足まで響く

長時間座っているとつらい

足に力が入りにくい

つま先が上がりにくい

3項目以上当てはまる場合は、腰椎椎間板ヘルニアの可能性があります。一度整形外科で相談することをおすすめします。

腰椎椎間板ヘルニアとは?

背骨は「椎骨」という骨が積み重なってできており、その間にはクッションの役割を果たす椎間板があります。

加齢や繰り返しの負荷、急な動作などがきっかけとなって椎間板の一部が飛び出し、近くを通る神経を圧迫すると、腰痛や坐骨神経痛などの症状が現れます。

表2 腰椎椎間板ヘルニアの特徴

項目

内容

病気

椎間板が神経を圧迫する疾患

主な症状

腰痛・坐骨神経痛・しびれ

好発年齢

10代後半~50代

多い部位

L4/5、L5/S1

腰椎椎間板ヘルニアはなぜ起こる?

椎間板ヘルニアは、日常生活のさまざまな動作をきっかけに発症します。

ごうだ整形外科では、診察の際に「何をしたときに症状が始まったのか」を詳しく確認しています。

特に次のような場面は重要な手がかりになります。

表3 発症のきっかけ

きっかけ

重い物を持ち上げた

引っ越し・荷物運搬など

前かがみの姿勢

草取り・掃除・介護など

急な動作

振り向く・くしゃみ・スポーツ

長時間の負担

デスクワーク・車の運転

こうした情報は、原因を推測するための重要な診断材料になります。

ごうだ整形外科が問診で最も重視していること

腰椎椎間板ヘルニアでは、MRIだけで診断することはありません。

ごうだ整形外科では、まず患者さんのお話を丁寧に伺い、「どのような姿勢で痛みが強くなるのか」を詳しく確認します。

特に、前かがみで痛みが強くなる場合は、腰椎椎間板ヘルニアを疑う重要な所見の一つです。

一方で、後ろに反らすと痛みが強くなる場合には、腰部脊柱管狭窄症など他の病気も考えられるため、症状の出方を詳しく確認することが正確な診断につながります。

神経学的診察で重要なポイント

問診の後には、神経学的診察を行います。

ごうだ整形外科では、MRIを見る前に、どの神経が障害されているかを診察から予測することを重視しています。

表4 神経学的診察で確認する項目

診察項目

確認する内容

圧痛

神経の圧迫部位との関連

放散痛

痛みが足へ広がるか

ラセーグ徴候(SLR)

神経根の刺激の有無

徒手筋力検査(MMT)

筋力低下の有無

感覚検査

感覚障害の範囲

腱反射

神経機能の評価

これらの診察結果から、どの神経根が障害されている可能性が高いかを予測し、その後にMRI検査で確認します。

MRI検査の役割

MRI検査は、腰椎椎間板ヘルニアを診断するうえで非常に重要な検査です。

しかし、ごうだ整形外科ではMRIだけで診断することはない」という考え方を大切にしています。

まず問診と神経学的診察で障害されている神経を予測し、その予測と一致するヘルニアがMRIで確認できるかを評価します。

また、ヘルニアが大きいから必ず痛みが強いとは限りません。

反対に、小さなヘルニアでも神経の出口(椎間孔)で神経を圧迫している場合には、強い痛みやしびれを生じることがあります。

そのため、画像だけではなく、症状・診察・MRIを総合的に判断することが大切です。

(第2部へ続く)