変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症とは?症状・原因・治療法を整形外科医がわかりやすく解説
監修:合田猛俊 佐々木拓郎
結論
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることで痛みや変形が生じる病気です。
日本では非常に多くの方が悩んでおり、
- 歩き始めに痛い
- 階段がつらい
- 正座ができない
- 膝に水がたまる
といった症状がみられます。
初期の段階で適切な治療を行うことで、進行を遅らせたり症状の改善が期待できます。
変形性膝関節症とは?
膝関節の表面には軟骨があります。
軟骨にはクッションの役割があり、骨同士が直接ぶつからないようになっています。
しかし加齢や体重増加などにより軟骨がすり減ると、炎症が起こり痛みが発生します。
進行すると関節の変形や歩行障害につながることがあります。
変形性膝関節症の主な症状
表1 変形性膝関節症の代表的な症状
症状 | 特徴 |
歩き始めの痛み | 初期症状として多い |
階段での痛み | 特に下りで強い |
正座ができない | 深く曲げると痛い |
膝に水がたまる | 炎症による |
O脚 | 進行すると目立つ |
歩行障害 | 重症例でみられる |
最初は動き始めだけ痛みますが、進行すると安静時にも痛みが出ることがあります。
変形性膝関節症の原因
複数の要因が関係しています。
表2 主な原因
原因 | 内容 |
加齢 | 軟骨の老化 |
体重増加 | 関節への負担増加 |
筋力低下 | 膝を支えられなくなる |
過去のケガ | 半月板損傷や靭帯損傷 |
O脚 | 関節への偏った負荷 |
特に体重増加は大きな危険因子です。
なぜ女性に多いの?
変形性膝関節症は女性に多い病気です。
表3 女性に多い理由
要因 | 内容 |
筋力低下 | 太ももの筋肉量が少ない |
ホルモン変化 | 閉経後に増加 |
骨格の違い | 膝への負担がかかりやすい |
平均寿命 | 発症年齢まで生存する方が多い |
50歳以降の女性では特に増加します。
体重増加との関係
膝は体重を支える関節です。
歩行時には体重の約3〜5倍の負担がかかるとされています。
表4 体重と膝への負担
体重 | 歩行時の膝への負担 |
60kg | 約180〜300kg |
70kg | 約210〜350kg |
80kg | 約240〜400kg |
90kg | 約270〜450kg |
体重が増えるほど膝への負担は大きくなります。
体重を減らすとどうなる?
体重管理は治療の重要な要素です。
表5 体重減少による効果
体重減少 | 膝への影響 |
1kg減 | 負担軽減 |
3kg減 | 痛み改善が期待 |
5kg減 | 歩行が楽になる |
10kg減 | 大きな負担軽減 |
近年では膝痛治療において体重管理の重要性が注目されています。
セルフチェック
表6 変形性膝関節症セルフチェック
症状 | チェック |
歩き始めに痛い | □ |
階段がつらい | □ |
正座ができない | □ |
膝に水がたまったことがある | □ |
O脚が気になる | □ |
最近体重が増えた | □ |
3項目以上当てはまる場合は整形外科受診をおすすめします。
どんな検査をするの?
診断には以下の検査を行います。
- 問診
- 診察
- レントゲン検査
- MRI検査(必要時)
レントゲン検査では関節の隙間の狭さや変形を確認します。
変形性膝関節症の治療
まずは保存療法を行います。
表7 主な治療法
治療法 | 内容 |
運動療法 | 筋力改善 |
リハビリ | 動作改善 |
内服治療 | 痛みの軽減 |
注射治療 | 炎症を抑える |
サポーター | 負担軽減 |
体重管理 | 関節保護 |
自由診療という選択肢
症状や状態によっては自由診療を選択する場合があります。
表8 自由診療の例
治療法 | 特徴 |
PRP療法 | 自己血液を利用 |
PRP-FD療法 | 高濃度成長因子を利用 |
培養上清液治療 | 再生医療の選択肢 |
体重管理プログラム | 膝への負担軽減を目指す |
詳しくは診察時にご相談ください。
人工関節手術が必要になるのは?
保存療法で改善しない場合に検討します。
以下のような場合が目安です。
- 歩行が困難
- 夜間痛が強い
- 日常生活に支障が大きい
すべての患者様が手術になるわけではありません。
よくある質問(FAQ)
Q. 変形性膝関節症は治りますか?
進行した軟骨を元に戻すことは難しいですが、症状改善や進行予防は期待できます。
Q. 運動した方が良いですか?
適切な運動は非常に重要です。
ただし無理な運動は避けましょう。
Q. 正座はしても大丈夫ですか?
痛みが強い場合は無理をしないことが大切です。
Q. サポーターは効果がありますか?
症状によっては有効です。
Q. 手術しないと治りませんか?
多くの方は保存療法で治療を行います。
まとめ
変形性膝関節症は膝軟骨のすり減りによって起こる病気です。
- 歩き始めの痛み
- 階段での痛み
- 正座困難
- 膝の腫れ
などが代表的な症状です。
体重管理や運動療法などの保存療法が重要であり、症状によっては再生医療や手術を検討することもあります。
気になる症状がある場合は早めに整形外科へご相談ください。
監修者プロフィール
合田猛俊 医療法人社団GOZEN 理事長 整形外科専門医 医学博士
佐々木拓郎 札幌北7条ごうだ整形外科総合院長 整形外科専門医 医学博士
整形外科診療を中心に、神経ブロック治療、再生医療、運動療法など幅広い診療を行っています。
札幌市の北7条ごうだ整形外科、岩見沢ごうだ整形外科にて地域医療に取り組み、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。
記事情報
この記事は一般的な医学情報をわかりやすくお伝えすることを目的として作成しています。
症状や治療法は患者様によって異なるため、実際の診断や治療については医療機関へご相談ください。
【監修】 合田猛俊 医師 (医療法人社団GOZEN 理事長・整形外科専門医・医学博士)
【医療機関】 北7条ごうだ整形外科 岩見沢ごうだ整形外科
【最終更新日】 2026年6月
【記事カテゴリー】 膝の痛み 変形性膝関節症 整形外科
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