PRP療法

PRP療法とは

PRP療法とは、採取した自分の血液中の血小板を分離・濃縮して、傷ついた組織に戻し、その再生能力を利用して組織の修復を促す治療です。関節の大きさや治療をする関節の数により、投与の方法は変わります。

PRP療法は、こんな方におすすめ

  • 日常生活でひざの痛みにお悩みの方
  • 靱帯損傷、肉離れ、腱炎などのスポーツ外傷でお悩みの方
  • 早期に運動復帰を希望されている方
  • へバーデン結節などの指の関節症にお悩みの方
  • ヒアルロン酸注射を何度も打っているが、膝の痛みが改善できない方 など

PRP療法のメリットとデメリット

従来の治療法では改善できなかった症状も、PRP療法なら治療をすることができるというメリットと、保険が適用できないなどのデメリットが存在します。治療を受ける前にしっかりとPRPの特徴を把握しましょう。

PRP療法のメリット

副作用のリスクが少ない

自分の血液を使った成分であるため、輸血後肝炎、HIVなどの感染や、輸血によるアレルギーGVHDの問題がないので、将来における再生医療の柱となる治療法として期待されています。

外科的手術が必要ない

注射で採取した血液を特別な方法で加工し、再生を促す成分を注射で患部に注入することで症状を改善する治療法。メスを使う外科的手術が必要ないので、体にかかる負担がない治療です。

治療法がなくて改善できなかった症状も治療が可能に

従来の治療では、症状の改善が難しかった症例もPRP療法で修復できるものが増えてきました。例えば、ヘバーデン結節などの指関節症の治療としては、岩見沢本院ではすでに20症例以上の良い結果を出しています。従来の治療では、症状の緩和が難しい患者さまや、早期に運動の復帰を望む患者さまに選んでいただきたい治療の一つです。

効果の持続性が高い

例えば膝の痛みをヒアルロン酸注入で治療をする場合、1週間に一度の注射を5回行います。その後は症状に合わせて2週以上の間隔で継続投与することが多いです。一方、PRP療法の場合は、年に1,2度の注射で効果が持続すると報告されています。

PRP療法のデメリット

PRP抽出の過程における安全性

PRPの抽出濃縮は、遠心分離機を用いますが、抽出過程では無菌状態にする必要があります。特に関節内に投与する場合には、雑菌の混入があると感染性関節炎を誘発する可能性があり、再生医療法で法的に厳しく規制されています。

健康保険が適用できない

PRP療法は健康保険が使えないので、自費の診療となります。従来の方法では、25万円から30万円以上の大変高額な医療のため、安易に患者さまにすすめることができませんでした。しかし、より多くの方にPRPの良さを知ってもらいたいという想いで、当院では安全性を担保しながらも、比較的お手頃な治療費でできるPRP療法を実現しました。

当院のPRP療法の種類

PRP-FD療法

PRP-FD療法とは、採取した血液の抽出・濃縮作業を外部に委託して、3週間程度の時間をかけてフリーズドライにします。そしてフリーズドライにした有効成分を患部に投与するのです。

ただし、このPRP-FD療法は、膝関節などの大きな関節への投与は、手技的には難しくない治療ですが、腱などの軟部組織への投与は、エコーを使って正確な位置に注入する医療技術が必要です。そこで、当院では整形外科治療に特化したエコー装置を導入し、腱内投与にも安全に治療ができるように医療設備を整えています。

治療例

  • テニス肘
  • 難治性滑液嚢胞
  • 肉離れ など

ACPダブルシリンジを用いたPRP治療

ACPダブルシリンジを用いたPRP治療の場合、院内で血液を採取しその場で多血小板血漿を分離作成します。所要時間は15分程度です。この方法も保険適用外の自由診療となります。

ACPダブルシリンジで採取したものは、第3種の認可であり関節内には投与できませんが、骨折治癒の促進などの広い範囲に応用できます。また、数例ですが損傷神経内投与も行っていて、術後の残存神経症状の改善に期待ができます。
今は整形外科範囲で使用していますが、当院では今後適応範囲を広げていく予定です。
再生医療法の認可は施設ごとに取得が義務づけられており、岩見沢本院は認可を受けていますが、北7条診療所は認可申請中です。認可がおりるまではPRP-FD治療を先行して行います。

治療例

  • テニス肘
  • 術後瘢痕ケロイド
  • 神経損傷 など

PRP療法の治療の流れ

治療の流れは次の通りです。

  • 1血液の採取

    1キット26~52ml程度の血液を採取します。

  • 2PRP作製

    ■ACPダブルシリンジを用いたPRP治療の場合
    採取した血液を専用の医療機器を使って、遠心分離しPRPを作製します。
    PRPが出来上がるまでは、15分程度です。

    ■PRP-FD療法の場合
    外部の機関に依頼をして、採取した血液をPRPにします。当院では、フリーズドライのPRPを採用しているため、加工期間は3週間ほどかかります。

  • 3施術

    損傷部位に注射を使ってPRPを注入します。治療時間は数分程度です。治療部位によっては、エコーを使ってより精密にPRPを注入します。

PRP療法の治療費

ACPダブルシリンジを用いたPRP治療の場合 27,500円~55,000円(税込)
PRP-FD療法の場合 165,000円(税込)

※投与部位に関わらず費用は一定です。
なお、保険が適用されないため、自由診療となります。

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